最初に決めるのは「誰が依頼者になるか」
特殊清掃は、遺品整理と違って作業を急ぐ必要があります。ただし、急いで業者を呼ぶ前に、依頼者を誰にするかを決めておくと後の精算が楽になります。
- 持ち家: 相続人が依頼者になります。相続放棄を検討している場合は、片付けを進めると単純承認とみなされる可能性があるため、先に弁護士か司法書士に確認してください。
- 賃貸: 契約上の原状回復義務は借主(亡くなった方)にあり、連帯保証人や相続人が引き継ぎます。ただし管理会社や大家が先に業者を手配することもあるので、まず管理会社に連絡して、誰が依頼者になるかを決めます。
依頼から完了までの流れ
- 現地確認。業者が汚染の範囲と臭気の程度を確認します。写真で概算を出す業者もありますが、確定金額は現地確認後になります。
- 見積と作業計画。汚染物の撤去、消臭、消毒、必要なら床材や壁紙の解体まで、どこまでやるかを決めます。
- 作業。数時間から数日です。臭気が強い場合はオゾン脱臭を数日かけて行います。
- 完了確認。臭気の残りと、撤去・消毒の範囲を立ち会いで確認します。遠方の場合は写真報告で代替できます。
- 遺品整理へ。特殊清掃が終わってから、通常の遺品整理に移ります。同じ業者に続けて頼むと日程調整が楽です。
費用の内訳
| 項目 | 費用の目安 |
|---|---|
| 汚染物の撤去(1室) | 30,000〜100,000円 |
| 消臭・消毒 | 30,000〜150,000円 |
| オゾン脱臭(日数による) | 30,000〜100,000円 |
| 床材・壁紙の解体撤去 | 汚染範囲による |
| 遺品整理(別途) | 間取り別の相場を参照 |
汚染の範囲と経過日数で費用は大きく変わります。「1室いくら」と電話で即答する業者より、現地確認を前提にする業者の方が、後から追加請求が出にくい傾向があります。
賃貸で費用の負担がどうなるか
賃貸物件では、次の順番で調整するのが一般的です。
- 管理会社に連絡。作業の前に必ず連絡します。無断で業者を入れると、原状回復の範囲をめぐって行き違いが起きます。
- 保険の確認。借主が加入していた家財保険や、大家が加入している孤独死保険で、清掃費用や原状回復費用が補償されることがあります。証券を探して確認してください。
- 原状回復の範囲を決める。通常の経年劣化は借主負担になりません。特殊清掃で必要な範囲と、リフォームの範囲は分けて見積を取ります。
- 精算。相続人が支払い、保険金が出れば後から補填されます。
業者に確認すること
- 特殊清掃の実績があるか(遺品整理の業者がすべて対応できるわけではありません)
- 汚染物の処分方法(一般廃棄物または産業廃棄物の許可業者と提携しているか)
- 消臭の方法と、臭気が残った場合の再作業の条件
- 近隣への配慮(作業車の表示、作業時間帯)
- 立ち会いなしでの作業と写真報告に対応できるか
作業の内容は事務的に進めて問題ありません。感情面の負担が大きい場合は、立ち会いを親族や知人に代わってもらうことも検討してください。
出典
見積を取る前に
業者を探すときは、1社に絞らず 2〜3社の見積を取り、内訳(作業費・出張費・処分費・追加料金の条件)を同じ項目で比べてください。相見積もりの取り方は ガイド記事 にまとめています。